社会心理学を、英語で教えてみませんか?

第1日(9月17日) 14:15~15:45 H号館201

フォローアップ資料

2017年12月に本WSで紹介された内容をブラッシュアップした書籍『英語で学ぶ社会心理学』が有斐閣より刊行されました.

WS企画者からのメッセージ

神戸大学の大坪庸介です

このたび、日本社会心理学会第57回大会(関西学院大学)で「社会心理学を、英語で教えてみませんか?」というWSを行うことになりました。

大学の国際化がもとめられていて、英語で教える授業を増やすようにというプレッシャーも高まっているのではないでしょうか。神戸大学文学部では、数年前から社会心理学の授業を英語で教えてみているのですが、教科書のようなものがあって、学生に予習させることができればやりやすいと考えるようになりました。

そこで、現在、研究員のAdam Smithさんと共同で、社会心理学の授業を英語で教えるための教科書を作成しています。見開きの左側に英語、右側に日本語の解説という形式で作成していて、日本人の学生にも読みやすいのではないかと思います。教科書のサンプルは以下の大坪研究室のサイトにあります。教科書のために作成した図をPPTファイルでも提供しています。日本語の授業にも使っていただけるものもあると思います。

http://www2.kobe-u.ac.jp/~yohtsubo/SmithOhtsubo_sample.pdf/

章立ては以下に記載しておりますが、各章は5から6節構成で、古典的なもの、基本的なものを中心に紹介しています。上記のサンプルをご覧になって、ご自分の授業で活用していただける先生がいらっしゃれば、教科書のファイルを共有させていただきます。また、授業を英語化するわけではないけれど、学生に英語のreading assignmentが必要等、ご自由につかっていただければと思っています。ご関心をもっていただいた先生は、大坪までご連絡いただければ幸いです。教科書のファイルやPPTファイルをおいているサイトのパスワード等をお知らせいたします。そして、使っていただいたご感想や使い方を教えていただければ、WSでとりあげることができ、WSがより実り多いものになると期待しています。

以下は教科書の構成です。
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Chapter 1: Introduction to Social Psychology
割れ窓理論の実験などをつかって基本的な実験の考え方を説明しています。

Chapter 2: Self
自己スキーマ、ポジティブイリュージョン、社会的比較、ソシオメーター理論などを紹介しています。

Chapter 3: Social Cognition
帰属理論、錯誤相関、ヒューリスティックとバイアスなどを扱っています。

Chapter 4: Impression Formation and Interpersonal Attraction
アッシュの印象形成の理論、ネガティヴィティバイアス、近接性、類似性、身体的魅力度などを扱っています。

Chapter 5: Emotion
ジェームズ・ランゲ、情動の二要因理論、認知的評価理論、エクマンの基本情動などを扱っています。

Chapter 6: Attitudes and Persuasion
態度と行動の関係、認知的不協和理論、フット・イン・ザ・ドア、Dual Route Model、IATなどを扱っています。

Chapter 7: Social Influence
社会的促進、社会的手抜き、同調実験、少数派の影響などを扱っています。

Chapter 8: Intergroup Relations
泥棒洞窟実験、BIRGing、外集団等質性、接触仮説などを扱っています。

Chapter 9: Prosocial Behavior
善きサマリア人実験、共感-利他主義仮説、傍観者効果などを扱っています。

Chapter 10: Antisocial Behavior
フラストレーション・攻撃仮説、アイヒマン実験、模擬監獄実験などを扱っています。

Chapter 11: Cultural Psychology
相互独立・依存的自己、分析的・包括的思考、選択と動機づけなどを扱っています。
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大坪庸介
yohtsubo@lit.kobe-u.ac
(acの後にdot jpを補ってください)