親密な関係の闇を捉える
~DV、DaV、そしてストーキング~

第2日(9月18日) 15:45~17:15 E号館1F 102

企画・司会者
荒井 崇史(追手門学院大学)
金政 祐司(追手門学院大学)
話題提供者
相馬 敏彦(広島大学)
荒井 崇史(追手門学院大学)
島田 貴仁(科学警察研究所)
指定討論者
山本 功(淑徳大学・非会員)
金政 祐司(追手門学院大学)

概要
警察庁(2015)によれば、平成26年の配偶者からの暴力(Domestic Violence : DV)の相談等件数は53,915件(生活の本拠を共にする交際をする関係を含めると63,141件)、ストーカー事案等の相談件数は22,823件にのぼる。また、内閣府(2016)によると、女性の約5人に1人が交際相手から暴力(Dating Violence : DaV)の被害を受けた経験があるとされる。親密な関係内での暴力や凄惨な事件は日常的にメディアを賑わしており、それは社会的問題になっていると言っても過言ではないであろう。こうした社会情勢を背景に、近年では、親密な関係における暴力加害者への治療的介入や予防的介入に注目がなされ始めている。しかしながら、我が国では、親密な関係における暴力に関連した実証的な心理学的研究は必ずしも多くはない。どのような介入を議論するにしても、限りある人的・資金的資源を効果的に活用するためには、実証的なエビデンスを蓄積することが必要であろう。

本ワークショップでは、相馬氏からDVを生起、エスカレートさせやすくする潜在因子について概説いただくと共に、それを踏まえて行われている1次予防プログラムについて話題提供をいただく。また、荒井からは、DaVに関する場面想定法を用いた研究から加害に関連する要因について話題提供を行う。さらに、島田氏からは、業務統計や相談記録の分析結果から日本におけるストーカー事案の実態や問題点について話題提供をしていただく。これらの実証的研究を踏まえて、山本氏には、犯罪社会学の立場から現在の研究において不足している点と今後の研究の方向性について討論いただき、金政は、社会心理学的立場からそれらについてのコメントを行う。最終的に、DV、DaV、ストーカー行為について、現在、何が明らかになり、何が明らかになっていないのか、今後どのような研究が必要とされるのかについてフロアーの先生方を含めて議論を行いたい。


プログラムに戻る