日時 | 2020年8月21日(金) 13:00~17:00(12:30 ウェビナー開始予定) |
会場 |
定員:500名 このウェビナーに事前登録する: https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_0GTGzSKYTJaJ4fXCnZAePw 登録後、ウェビナー参加に関する確認メールが届きます。ご確認ください。 なおウェビナーの注意事項は以下の通りです。
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参加費 | 無料(会員以外の参加も可です) |
企画 | 日本社会心理学会学会活動委員会 |
講師 |
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企画メッセージ | 現在、コロナ禍において、リモートという言葉を頻繁に耳にするようになりました。空間的制約を超えて活動を行うということは、これまで以上に研究者にも求められていくことでしょう。コロナの影響で敢えなく中止になってしまった春の方法論セミナーの「Webを利用した調査や実験で何ができるのか?―その応用可能性と限界を考える」というテーマは、まさに、空間的制約を超えたデータ収集法に関する内容であったかと思います。それゆえ、それをお蔵入りにしてしまうのは遺憾極まりないとの思いから、日本社会心理学会学会活動委員会としては、再度、同様のテーマで、夏のWebセミナーを開催したいと思います。 Web上での調査や実験は、先のようにデータ収集に際し空間的制約から解放されるため、多様な属性を持った回答者のデータを集めることが可能となることから、研究の幅を広げるとともに、研究結果の妥当性の担保にも一翼を担うものであると言えます。また、以前では困難であった実験条件の配置等も、近年では、様々な刺激をWeb上で提示することによって、それが可能になりつつあります。ただし、これまでにご自身でWebを利用した調査や実験を実施したことがない方は、「Web上で調査や実験ってどうやってやるの?」「それって、いくらぐらいかかるものなの?」という疑問を抱かれているやもしれません。また、これまでに何度かWebを利用した調査や実験を実施したことがあるという方でも、「スタンダードな調査や実験以外に、どんなことができるの?」「こんなことをやりたいんだけど、Web上での調査や実験で可能なの?」という疑問をもっておられるかもしれません。 今回の夏のWebセミナーでは、Web調査会社としてクロスマーケティング社、また、スマホメッセンジャーを利用した調査サービスを提供する会社としてLINEリサーチをお招きし、各社でどのような調査や実験が可能なのかについてのお話をしていただこうと思っております。また、3名の先生方に登壇いただき、Webでの調査や実験を実施する際の注意点やその際の苦労話についてお話しいただくとともに、それらで収集した貴重なデータに基づく研究を発表していただこうと思っております。 夏のWebセミナーは、日本社会心理学会の企画のものではありますが、会員限定ではございません。会員以外の参加も無料ですので、ご関心のある方がいらっしゃいましたら、ご参加いただければ幸いです。 お盆明けのお忙しい時期ですが、大勢の方のご参加をお待ちしております。 |
概要 | 近年、Webを利用した調査や実験は、社会心理学においてのみならず、他の心理学領域においても頻繁に利用されるようになってきました。Web上での調査や実験では、幅広く、様々な特性をもった人たちからデータを収集できるため、特性毎の比較や各特性に関する詳細な検討を可能とさせます。今回のセミナーでは、そのようなWeb上での調査や実験について、現状、どういったことが実施可能なのか、また、どういったデータを収集することができるのかについて、最初にWeb調査会社としてクロスマーケティング社、最後にスマホメッセンジャーを利用した調査サービスを提供する会社としてLINEリサーチにプレゼンテーションをしていただきます。また、3名の先生方に登壇いただき、Web上での調査や実験を実施する際の注意点やその際の苦労話についてお話しいただくとともに、それらで収集した貴重なデータに関する研究を発表していただこうと思っております。 スケジュール・内容(予定)
◇調査会社にWeb調査を委託する:縦断ペアデータの収集 浅野良輔先生(久留米大学文学部) 友人、恋人、夫婦といった親密な関係を理解する上で、縦断ペアデータは重要な情報となります。しかし、これまでの心理学研究は、研究者の所属機関の学生からなる代表性の低いサンプルに基づくことが多く、知見の一般化可能性が疑問視されてきました。この問題の対処法の一つとして、調査会社によるWeb調査が挙げられます。これにより、年代、地域、社会経済的地位など、さまざまな属性をもつ方たちのデータを短時間で得ることができます。本発表では、夫婦カップルに対して3年間の縦断調査を行った研究から、調査会社にWeb調査を委託した体験談をお話しするとともに、その中で抱いた研究者の要望を調査会社の方々と議論する場にしたいと考えています。 ◇フェイスブック広告を利用した多国調査参加者募集の課題と可能性について トムソン・ロバート先生(北星学園大学文学部) Thomson, Yuki, & Talhelm et al. (2018)の多国調査に基づいた比較文化研究が米国科学アカデミー紀要(通称:PNAS)に発表されたが、そのウェブ調査への参加者募集はソーシャル・ネットワーク・サイトの大手Facebookを通じた広告で行った。39か国から17,000人近くがFacebook広告でウェブ調査に誘導された。また、Milfont, Thomson, & Yuki (in prep.)が2018年に同じくFacebook広告を利用して、ブラジル国内にてブラジル全州(27州)から7300人の参加者をウェブ調査に誘導した。今回の発表では、Facebook広告を利用した多国調査への参加者募集の可能性と課題について紹介する。データの信頼性という方法論的な話はもちろん、費用や、内的動機を促す調査デザインについても紹介する。 ◇クラウドソーシングを使ったオンライン実験・調査:MTurkは研究のありようをどう変えたのか 眞嶋良全先生(北星学園大学社会福祉学部) 実験や調査をオンラインで行うときにサンプルを集める手段としては,SNSやメールなどの媒体を通じてボランティアを募る,調査会社等のWebパネルを利用する方法の他にも,クラウドソーシング・サービスを使う方法があります。オンライン調査・実験が大きな広がりを持つようになった一因として,Amazon社のクラウドソーシング・サービスである Amazon Mechanical Turk の存在があります。我が国においても,同様のクラウドソーシング・サービスが始まって10年ほどが経ち,学術研究用途での利用も増えてきています。さらに,オンライン調査・実験を実施するツールも様々な形で進化を続け,いわゆる紙と鉛筆を用いた質問紙型研究の代替にとどまらず,一定の制約はあるものの認知行動実験をオンラインで行うこともできるようになりました。また,実験材料やツールの共有も容易になり,共同研究の機会も増えてきています。 発表者の専門は思考の認知心理学ですが,認知心理学や実験心理学でしばしば使われる,いわゆる実験室実験に限定するのではなく,心理学や隣接領域における実証的研究がどのようにクラウドソーシングで行われているか,クラウドソーシングではどのようなことができるのか,クラウドソーシングの導入がこれまでの実験研究をどのように変えたのか(変えそうなのか)について説明します。 また,発表者自身が行った研究を例にとりながら,実際にクラウドソーシングを用いた実験を行うときに生じるいろいろな出来事,特にオンライン実験を用いた論文を読んだだけでは気づかないようなエピソードを紹介し,この手法のメリット・デメリットや,これからのオンライン実験に望まれることについて一緒に考えることができるような機会となればと思います。 登壇予定の企業の発表概要 Web調査会社 最初に弊社の簡単な紹介をさせていただき、その後、アカデミック・リサーチのカスタマイズリサーチの事例を挙げ、弊社でどのようなリサーチが可能かを説明いたします。また、アカデミック調査の利用状況、有用な調査を実施する際のヒント等をお話しします。さらに、弊社のモニター管理と倫理的配慮についてご説明させていただくとともに、アカデミック利用への取り組みについて、対応内容とともにお話しさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 スマホメッセンジャーを利用した調査サービスを提供する会社 市場調査における調査の手法は、母集団を代表するサンプルが取得できるか否かという観点から、その時代で“なるべく万人に普及”しており、“なるべく万人に協力を受け入れてもらえる”方法をうみだしてきました。 |