2022年度日本社会心理学会若手研究者奨励賞受賞者一覧(応募順,所属等は応募時)
受賞者
田中里奈 名古屋大学大学院 博士前期課程2年
研究タイトル
内受容感覚と内受容意識に及ぼす文化の影響とその説明要因の検討
要約
内受容感覚とは、身体の緊張や意識の覚醒等、自己認識の根幹部分を担う身体内部の感覚を指す。先行研究によれば、アジア人や西アフリカ人は、ヨーロッパ系アメリカ人よりも身体状態の変化への気づき(内受容意識)を報告しやすい一方、内受容感覚の正確さはむしろ低い。その理由として、アジア人や西アフリカ人は、その優勢な包括的注意傾向を反映してあたかも他者が外側から自身の身体を見るかのような見方をしやすく、その見方が身体そのものへの気づきを促す一方、実際の身体反応の変化の検出をむしろ鈍らせる可能性が示唆されている。しかし後続の研究は過去10年近く行われていない。加えて、自身の内側に向けた注意が身体状態への感覚を敏感にさせる可能性も想定されるが、例えばself-clarityやobjective self-awarenessによる影響についても検討されてきていない。そこで本研究では、これらの問題点を踏まえた上で、効果量に基づく十分なサンプルサイズを用いた実験を日本とカナダで実施し、その知見の追認や拡張を目指す。
受賞者
菅沼秀蔵 東京大学大学院 修士課程1年
研究タイトル
我々は先人からどう学ぶのか ―情報探索場面における系列的な社会学習の検討―
要約
文化進化学では,ヒトの文化の特徴をその累積性にみとめる議論がある.科学研究における「巨人の肩の上に乗る」といった言辞が象徴するように,世代間の情報伝達を通して社会的にプールされた情報に累積的な改善が生じるプロセスは普遍的にみられる.一方で,限られた時間や資源のもとで個人がどのように先行世代からの学習(社会学習)から自身の試行錯誤による学習(個人学習)へ移行する決定を行うのかは,実証的に検討されていない.
本研究では,不確実な状況下で多数の選択肢のなかから優れたものを選び出すという普遍的な意思決定場面において,先行世代の意思決定を実験参加者が観察する状況を設定し,参加者が社会的情報をどう利用するのかを実証的に明らかにする.具体的には,先行世代から得られる社会情報の類型(行動選択およびその結果)が,「先行世代から独立するタイミング」および「意思決定パフォーマンスの累積性」に与える影響を,行動実験・計算論モデリング・シミュレーションを用いて定量化する.
受賞者
藤川真子 広島修道大学大学院 博士前期課程2年
研究タイトル
情報獲得において多数派の行動を過剰に模倣することは適応的なのか?: 多数派同調バイアスの実験的検討
要約
不確実性の高い状況下で多数派を過剰に模倣することは正しい情報を見極める問題で合理的だと理論上報告されてきた (e.g., Kameda & Nakanishi, 2002)。ただし、Boyd & Richerson (1985) によれば、この多数派同調にはバイアスが存在するという。多数派同調バイアスとは、集団内の50%を超える人が採用する行動を、それを超える確率で個人が採用することである。多数派同調バイアスの存在は、理論的には示されているが、実証的にはその存在が示されていない研究もある (Eriksson & Coultas, 2009)。しかし、申請者は、獲得する情報の種類を変更することで、多数派同調バイアスの存在を示してきた (藤川他, 投稿中)。これまでの研究の限界は、多数派同調バイアスの適応性が検討されていない点である。そこで、本研究では、正しい情報を獲得できた際の金銭的誘因を導入した藤川他の追試を行い、多数派同調バイアスを持つことが適応的な情報獲得方略であるかを検討する。
受賞者
棗田みな美 広島修道大学大学院 博士前期課程1年
研究タイトル
社会的ジレンマ状況における多数派同調バイアスの適応的意義
要約
本研究の目的は、内集団へ協力する状況において、多数派同調バイアスが観察されるか否かを検討することである。多数派を模倣する多数派同調傾向が正しい情報を獲得する場面で適応的であり (Boyd & Richerson, 1985)、さらに、こうした多数派同調バイアスの存在が文化進化をもたらすと主張されている。多数派同調バイアスとは、集団内の多数派 (e.g., 60%) が採用する行動を、それを超える確率 (e.g., 80%) で模倣することである (Boyd & Richerson, 1985)。多数派同調バイアスは、情報獲得状況において観察されることが実証的に示されている。Boyd & Richerson (2005) は、理論的には、多数派同調バイアスが、情報獲得場面のみならず、内集団協力の場面においても観察されると予測している。しかし、内集団協力の状況において多数派同調バイアスが観察されることを実証したデータはほとんど見られない。そこで本研究では、社会的ジレンマ状況において多数派同調バイアスが観察されるか否かをシナリオ実験で検討する。
受賞者
比留間圭輔 青山学院大学大学院 博士前期課程1年
研究タイトル
日本人が相互独立的な人を選好するとき
要約
文化心理学によると、欧米文化圏では、自己を独自の存在と捉える相互独立的自己観を共有しており、東アジア文化圏では、自己を他者と重なり合った存在と捉える相互協調的自己観を共有しているとされる(Markus & Kitayama, 1991)。これに対して、Hashimoto & Yamagishi(2015)は、適応的視点から自己観を再考し、日本人が示す相互協調性は必ずしも個人の選好ではなく、周囲から排除されることを回避するための適応的な行動戦略だと論じている。橋本(2011)は、日本人は本心では相互独立的な人を好意的に評価するが、他者は相互協調的な人を好意的に評価すると予測するため、自身も相互協調的に振る舞うことを示している。ただし、上述の研究では、回答者は相互独立的な人と相互協調的な人の特徴が記された文章を読んで両者について印象評価を行っただけであり、評価対象者との間に相互作用がある場合に同様の評価を行うかは定かではない。そこで本研究では、Steiner(1972)の課題分類を基に評価対象者との間の相互依存関係を操作した上で、両者に対する選好がどのように異なるのかを検討する。
受賞者
奥山智天 一橋大学大学院 修士課程1年
研究タイトル
社会経済的地位と幸福観:「小さな幸せ」は主観的幸福感の社会経済的格差を緩和するのか
要約
本研究の目的は、これまで検討されてこなかった日常の些細な出来事の中で感じる「小さな幸せ」(e.g., 道端の花がきれい)を概念化・尺度化し、社会経済的地位(SES)の異なる人々で小さな幸せがどのような機能を持つのかを明らかにすることにある。
近年、日本社会における社会経済的格差が深刻になりつつある。収入や教育などの社会経済的資源が限られた環境に置かれた人々は主観的幸福感が低い(内閣府, 2022)。そこで本研究では、「小さな幸せ」に着目し、幸福を感じる資源や機会が限られているSESの低い環境に置かれた人々は、小さな幸せを感じることが特に重要である可能性を検証する。
本研究ではまず、日常の中で頻繁に感じる強度の弱い幸福な出来事について状況サンプリングを行い、内容分析の結果をもとに「小さな幸せ尺度」をボトムアップに作成する。次に、小さな幸せと他の類似する幸福概念との相関関係を明らかにし、尺度の妥当性検証を行う。最後に、小さな幸せがSESの低い環境に置かれた人々の主観的幸福感の低下を緩和するという研究仮説を検証する。
受賞者
大坪快 九州大学大学院 修士課程 1年
研究タイトル
「協力する気のある人しかここにはいない?」:集合行為を支える自主的な参加のメカニズムの検討
要約
本研究の目的は,集団間紛争において紛争に参加しない個人(兵役拒否者)の評判を低下させる要因を明らかにすることである。近代以降の集団間紛争において,兵役拒否者は,他の内集団成員からの非難や排斥の対象となってきた(e.g., Bibbings, 2003)。しかし,兵役拒否者の評判に関する実証研究はほとんど行われておらず,なぜ兵役拒否者が低く評価されるのかは明らかになっていない。近年,一部の国では兵役拒否が人権の一つとして容認される動きがある。これらの国では,兵役拒否者が,兵役の代わりに社会奉仕活動への従事などを求められることが多い(市川,2007)。このような政策が社会の中での兵役拒否者の待遇や地位に与える影響を評価するためには,彼ら/彼女らの評判を規定する要因を実証的に検討する必要がある。本研究は,兵役拒否を社会的ジレンマ状況における「ただ乗り」行為として捉え(Bornstein, 1992),「コストの負担」や「内集団への貢献」の有無が兵役拒否者の評判に影響を及ぼす可能性を経済ゲームのパラダイムを用いて検討する。
受賞者
上田寛 広島大学大学院 博士課程前期1年
研究タイトル
アスリートのメンタルヘルス改善に向けた心理的安全性の効果検証
要約
アスリートは競技生活の中で,意欲低下や競技からの離脱を引き起こすバーンアウト(岸・中込, 1991),過度な不安や緊張が引き起こす競技不安(橋本, 1993) 等,様々なメンタルヘルスの問題に曝されている。しかし現状,その包括的なケアは十分ではなく,具体策の提案が急務である(Purcell, 2019)。
アスリートの心理的なケアについてFransen (2020) は,心理的安全性の重要性を主張している。心理的安全性とは,チーム内での対人的なリスクを伴う行動に対する安心感を指し,バーンアウトと競技不安の低減に効果的であることが示されている(上田他, 2022)。しかしながら,①アスリート特有の心理的安全性を測定する日本語版尺度がない,②アスリートにおける心理的安全性の効果過程,及びその一般化可能性が未検討であるという課題が残されている。
以上より,本研究では『日本語版・スポーツ組織における心理的安全性尺度』の開発, 及び心理的安全性の先行要因としてのリーダーシップの役割についての競技横断的な検討を行う。これにより,アスリートの心理的安全性のための汎化型介入プログラム提案に向けた実証的知見の提供を目指す。
これまでの若手研究者奨励賞受賞者一覧
年度 | 受賞者 | 所属(応募時) | 研究タイトル |
---|---|---|---|
2021 | 野間 紘久 | 広島大学大学院人間社会科学研究科博士課程前期2年 | 抑うつスキーマの機能的側面による非機能的な帰結:スキーマの維持メカニズムの解明 |
2021 | 松村楓 | 大阪市立大学大学院前期博士課程1年 | 無知の自覚が社会政策に対する態度の緩和に及ぼす影響 ―個人実験及び小集団討議実験による検討― |
2021 | 宮崎聖人 | 北海道大学大学院文学院修士課程1年 | 一般的信頼および見知らぬ他者と協力する傾向が両方高く学習される条件の検討 |
2021 | 高橋茉優 | 東京大学大学院修士課程1年 | 社会保障はなぜ崩壊しないのか ―デフォルトの効果とマキシミン選好に着目して― |
2021 | 岡田葦生 | 京都大学大学院法学研究科博士後期課程2年 | 政治的会話回避の要因としての多元的無知 |
2021 | 李述氷 | 玉川大学大学院修士2年 | 受賞者李述氷(玉川大学大学院修士2年)研究タイトル社会的排斥経験が相互協調的自己観を形成する生物学的なメカニズムの解明 |
2021 | 森隆太郎 | 東京大学大学院人文社会系研究科修士1年 | 「協力する気のある人しかここにはいない?」:集合行為を支える自主的な参加のメカニズムの検討 |
2020 | 清水佑輔 | 東京大学大学院修士課程1年 | 「あなたが抱く高齢者への差別的態度は,あなたの将来に悪影響をもたらす 」―ステレオタイプ・エンボディメント理論を活用した差別的態度の軽減― |
2020 | 中越みずき | 関西学院大学大学院博士課程前期課程2年 | システム正当化理論の観点から低所得層の政治参加 を捉える |
2020 | 謝新宇 | 広島大学大学院博士課程前期2年 | 愛着不安が身体的攻撃につながるプロセスの解明:DV のエスカレート法則の観点から |
2020 | 前田楓 | 安田女子大学大学院博士後期課程2年 | 直観的な協力は集団の枠を超えられるか:最小条件集団パラダイムを用いた検討 |
2020 | 矢澤順根 | 広島大学大学院博士課程後期1年 | 対人関係におけるクリティカルシンキングの役割モデルの提案と検討 |
2020 | 柏原宗⼀郎 | 関西学院大学大学院博士課程前期課程1年 | 受け⼊れ拒否はなぜ⽣じるのか?:Zero-Sumの観点からの検討 |
2020 | 水野景子 | 関西学院大学大学院博士課程前期課程2年 | 罰がなぜ協力を阻害するのか?: 社会的ジレンマにおける罰による意思決定変容の検討 |
2019 | 中井彩香 | 首都大学東京大学院博士後期課程2年 | 保有資源の格差とその原因が協力行動に与える影響―保有資源が少ない人が抱く妬みに注目した検討― |
2019 | 尾崎拓 | 同志社大学大学院博士後期課程5年 | 「みんな」とは何割か: 記述的規範の閾値・個人差・個人内過程 |
2019 | 中田星矢 | 北海道大学大学院修士課程2年 | 教育による社会の発展をモデル化する:文化進化論からのアプローチ |
2019 | 笠原伊織 | 名古屋大学大学院博士後期課程1年 | 政治的情報に対する 選択的接触の生起条件:文化的自己観の差異に基づく接触過程の文化差に着目して |
2019 | 内藤碧 | 東京大学大学院修士課程2年 | 我々は他者の選択から何を学ぶのか?―集合知を支える社会的学習メカニズムの計算論モデリングによる検討― |
2019 | 前田友吾 | 北海道大学大学院修士課程1年 | ポジティブ状況羞恥の適応基盤 −生理指標を用いた比較社会生態学的検討− |
2019 | 池田利基 | 筑波大学大学院博士後期課程1年 | 柔らかさと社会的認知:皮膚感覚情報が愛着関連の自伝的記憶に与える影響 |
2018 | 伊藤篤希 | 京都大学博士課程1年 | 環境への適応戦略としてのヒエラルキーの実態の解明 |
2018 | 鈴木啓太 | 東京大学博士課程1年 | 暗黙理論の文化差生成・維持メカニズムの検討:課題変更可能性に着目して |
2018 | ターン 有加里 ジェシカ | 東京大学修士課程1年 | 「あなたがやるなら私はやらない」か「あなたがやるなら私もやる」か―ボランティアのジレンマにおける他者の協力意図と2種類の公正感受性― |
2018 | 早川美歩 | 名古屋大学修士課程1年 | 他者の身体を纏えば心も染まるか:VR による身体所有感の喚起が利他行動に及ぼす影響 |
2018 | 本間祥吾 | 北海道大学修士課程1年 | 環境変動性に対する適応としての心と社会の共進化:進化ゲーム・シミュレーションを用いた理論的検討 |
2018 | 横山実紀 | 北海道大学修士課程2年 | 公共的な合意形成場面における無知のヴェール下での議論の有効性について |
2017 | 竹部成崇 | 一橋大学大学院社会学研究科博士課程3年 | 安定を望む心がもたらす社会の不安定-不況の知覚が集団内分裂・集団間紛争を導くメカニズム- |
2017 | 谷辺哲史 | 東京大学大学院人文社会系研究科博士課程1年 | ロボットが人間から援助を引き出す影響過程 |
2017 | 松尾朗子 | 名古屋大学大学院環境学研究科博士課程3年 | 日常的な道徳判断における判断基準の日米比較 |
2017 | 打田篤彦 | 京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程1年 | 地域共同体における公共空間の景観情報に基づく社会関係資本の推定 |
2016 | 岩谷舟真 | 東京大学大学院博士課程1年 | 多元的無知の維持メカニズム―逸脱者罰と関係流動性に着目して ― |
2016 | 白井理沙子 | 関西学院大学大学院 博士課程前期課程2年 | 個人の道徳基盤が道徳違反に対する初期の知覚処理プロセスを決定するか |
2016 | 黒田起吏 | 東京大学大学院 修士課程1年 | 信頼を支える認知・神経基盤:Social Value Orientationが裏切り回避に与える影響の定量的検討 |
2016 | 戸谷彰宏 | 広島大学大学院 博士課程前期2年 | 死の脅威に対する対処行動の包括的理解に向けて:世代・文化的自己観・愛着スタイルからの説明 |
2016 | 田崎優里 | 広島大学大学院 博士課程前期2年 | “反社会的特性の社会性”の実証 |
2016 | 土田修平 | 北海道大学大学院 博士後期課程2年 | 象徴罰の進化: 強化学習と進化ゲーム理論の統合ルールを用いた理論的・実証的検討 |
2015 | 中尾 元 | 京都大学大学院人間・環境学研究科 博士課程1年 | 包括的認知をめぐる異文化間能力に関する異文化間心理学と文化心理学の統合的研究 |
2015 | Charis Eisen | 神戸大学大学院人文学研究科 博士後期課程1年 | When the Absence of Choice Equals Freedom: Culture and Agency |
2015 | 鈴木伸哉 | 名古屋大学大学院教育発達科学研究科 博士前期課程2年 | モラル遵守のダークサイド:不公正と危害が援助要請の回避に及ぼす影響の検討 |
2015 | 仁科国之 | 玉川大学大学院脳科学研究科 修士課程2年 | 評価懸念の神経基盤の解明:VBMによる検討 |
2015 | 井上裕香子 | 東京大学大学院総合文化研究科 博士課程1年 | 利己的な協力は、利他性の評価を上昇させるか? |
2014 | 玉井颯一 | 名古屋大学大学院教育発達科学研究科 博士後期課程1年 | 社会的排斥の公正さを主張することの効果:“みんなのため”に追放することは承認されるのか? |
2014 | 中里直樹 | 広島大学大学院教育学研究科 博士課程後期1年 | 日本人の幸福感停滞の原因に関する検討:協調性の共有信念による自由選択の感覚の低減が幸福感に及ぼす影響 |
2014 | 白木優馬 | 名古屋大学大学院教育発達科学研究科 博士前期課程2年 | 感謝喚起による間接互恵性の連鎖 |
2014 | 平島太郎 | 名古屋大学大学院教育発達科学研究科 博士後期課程3年 | ポジティビティ・ネガティビティの同時活性による行動の柔軟性 ―社会的文脈に着目した検討― |
2014 | 河村悠太 | 京都大学大学院教育学研究科 修士課程1年 | 「他者の目」が利他行動を減らすとき:評判への動機と規範情報に着目して |
2014 | 植村友里 | 淑徳大学大学院総合福祉研究科 博士後期課程2年 | 利他行動の適応的基盤:関係深化シミュレーションを用いた検討 |
2013 | 櫻井良祐 | 東京大学大学院人文社会系研究科 修士課程1年 | 自我枯渇時における自己制御過程:既達成の目標を通じたセルフ・ライセンシング |
2013 | 山田順子 | 北海道大学大学院文学研究科 修士課程2年 | パートナー獲得戦略に及ぼす関係流動性の影響:排他的集中資源投資戦略の適応価をめぐって |
2013 | 鈴木貴久 | 総合研究大学院大学5年 一貫制博士課程4年 | 協力関係の拡張を可能にする評判システムの提案 |
2013 | 加村圭史朗 | 北海道大学大学院文学研究科 修士課程1年 | なぜ人は考えると協力しなくなるのか?:目標期待理論からの検討 |
2013 | 須山巨基 | 北海道大学大学院文学研究科 修士課程1年 | 累積的文化進化における文化伝播の果たす役割の探索的検討 |
2012 | 北梶陽子 | 北海道大学大学院文学研究科 修士課程2年 | 社会的ジレンマ状況における監視可能性の低い情報公開のもたらす効果 |
2012 | 小松瑞歩 | 北海道大学大学院文学研究科 修士課程1年 | 善行を罰する社会-関係流動性が突出協力者に対する評価と協力行動の隠蔽に与える影響 |
2012 | 末吉南美 | 関西学院大学大学院文学研究科 博士課程前期課程1年 | 集団による負の資源分配においての公正感認知と交渉過程―放射能汚染がれき受け入れ問題を題材として― |
2012 | 中分 遥 | 上智大学大学院総合人間科学研究科 修士課程2年 | なぜ有能な個人を選ばないのか?: 社会的学習におけるベストメンバー戦略の再検討 |
2011 | 後藤崇志 | 京都大学大学院教育学研究科 修士課程2年 | 自己制御における認知制御と感情・動機の関連性 |
2011 | 杉浦仁美 | 広島大学大学院総合科学研究科 博士課程後期2年 | 集団内、集団間地位による外集団攻撃過程の検討 -社会的支配志向性の観点から- |
2011 | 高浦佑介 | 東京大学大学院人文社会系研究科 修士課程2年 | 社会関係資本が環境配慮行動に及ぼす効果の検討 -マルチレベル分析の視点から- |
2011 | 長谷川由加子 | 上智大学大学院総合人間科学研究科 博士後期課程1年 | 情動の社会的共有が持つ真の機能の検討 -集団内成員の評判を普及させるのか- |
2011 | 李 楊 | 北海道大学大学院文学研究科 博士後期課程1年 | 日本社会と中国社会における信頼形成プロセスの差と、社会関係の拡張性に関する研究 |
2010 | 会津祥平 | 北海道大学大学院文学研究科 修士課程1年 | 他者からの排斥による痛みと排斥未然回避行動における社会差―社会生態学的アプローチによる検討― |
2010 | 浅野良輔 | 名古屋大学大学院 教育発達科学研究科 博士後期課程2年 | 親密な関係におけるサポートの階層的メカニズムの解明: 共同規範と交換規範は補完し合うのか |
2010 | 板山 昂 | 神戸学院大学大学院人間文化学研究科 博士後期課程1年 | 裁判員裁判における市民の公正感:決定者と評価者の視点からの検討 |
2010 | 白岩祐子 | 東京大学大学院人文社会系研究科 博士課程2年 | 裁判員裁判における第三者効果の生起プロセスの検討:素朴な感情観と被害者ステレオタイプの観点 |
2010 | 山田和樹 | 横浜国立大学大学院 国際社会科学研究科 修士課程2年 | 自己-他者間の心理的距離と他者の態度推測に関する比較文化的検討 |
2009 | 阿形亜子 | 大阪大学大学院人間科学研究科博士課程1年 | 集団内の役割分化メカニズムの解明 -他者補償行動の観点から |
2009 | 海老原由佳 | 東京大学大学院人文社会研究科修士課程2年 | 犯罪不安の社会的帰結について -親の「不審者不安」が子どもの発達に及ぼす影響 |
2009 | 塚本早織 | 名古屋大学大学院環境学研究科博士前期課程1年 | 偏見の基礎となる『しろうと理論』の実証的解明-社会的カテゴリの『本質主義的』認知 |
2009 | 縄田健悟 | 九州大学大学院人間環境学府博士後期課程1年 | 内集団成員からの協力期待がひきおこす集団間代理報復-集団間報復は集団内協力か? |
2009 | 藤原 健 | 大阪大学大学院人間科学研究科博士前期課程2年 | 感情の社会性の再考 -社会的相互作用に着目した検討 |
2008 | 橋本剛明 | 東京大学人文社会系研究科 | 社会的苦境場面における被害者/第三者の赦し:社会的目標に基づく認知・感情モデル |
2008 | 鳥山理恵 | トロント大学教育学研究所 | 文化特有の心理様式の伝達過程―日本とカナダの絵本を用いた検討 |
2008 | 引地博之 | 東北大学文学研究科 | 居住地における協力行動の促進要因:居住地の歴史資産と愛着の効果 |
2008 | 齋藤寿倫 | 北海道大学文学研究科 | 共感のプロセスとしての表情模倣現象の検討 |
2008 | 前村奈央佳 | 関西学院大学社会学研究科 | 親近性バイアスの影響に着目した共感力の再考:共感範囲測定の試み |
2007 | 堀田結孝 | 北海道大学文学研究科 | 不公正他者への罰行動の心理メカニズム:最後通告ゲームを用いた検討 |
2007 | 松本良恵 | 淑徳大学総合福祉研究科 | リーダー・成員間相互依存構造フレームの変換による二次的ジレンマの回避 |
2007 | 原田知佳 | 名古屋大学教育発達科学研究科 | 社会的自己制御(Social Self-Regulation)の内的プロセスおよび促進要因の検討 |
2007 | 笠置 遊 | 大阪大学人間科学研究科 | 複数観衆問題のメカニズムの解明:複数の他者に対する自己呈示的ジレンマの解決法の検討 |
2007 | 山本雄大 | 東北大学文学研究科 | 女性に対する優遇措置への接触が現状を正当化する |
2007 | 橋本博文 | 北海道大学文学研究科 | 文化特有とされる認知・知覚プロセスの適応的意義の検証 |
2006 | 石橋 伸恵 | 北海道大学文学部文学研究科修士課程2年 | 組織・集団におけるモチベーションの生起メカニズム-二八の法則の心理学的基盤- |
2006 | 犬飼 佳吾 | 北海道大学大学院文学研究科修士課程2年 | 感情の諸相と社会生態学的環境:フィールド調査と実験室実験を用いた検討 |
2006 | 小宮 あすか | 京都大学大学院教育学研究科修士課程1年 | 後悔の社会的適応メカニズムの検討 ―日米比較研究を通じて― |
2006 | 佐藤 剛介 | 北海道大学大学院文学研究科修士課程1年 | 社会の関係流動性が自尊心の効果に与える影響の検討 |
2006 | 杉谷 陽子 | 一橋大学大学院社会学研究科博士課程3年 | 信頼を築くコミュニケーション―不祥事報道において有効な情報提示方法の検討― |
2006 | 高岸 治人 | 北海道大学大学院文学研究科修士課程2年 | 負の互酬性と不衡平回避 -2つの不公正是正行動- |
2005 | 伊藤 公一郎 | 名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士後期課程1年 | 動機の推論におけるポジティブ‐ネガティブ非対称性とその思考過程の分析 |
2005 | 菅 さやか | 神戸大学大学院文化学研究科博士課程1年 | ステレオタイプの言語的特質が人物理解に与える影響―日本語版言語カテゴリー・モデルの構築と共に― |
2005 | 太幡 直也 | 筑波大学大学院人間総合科学研究科 | 動機的要因が懸念的被透視感によって生起する反応に与える影響 |
2005 | 中島 誠 | 名古屋大学大学院教育発達科学研究科心理発達科学専攻博士後期課程1年 | 一般交換における公正性 ―世界に対する衡平仮説からの検討― |
2005 | 日置 孝一 | 神戸大学大学院文化学研究科2年 | 集団実体性が集団行為の責任と印象に及ぼす効果―企業内に生起した犯罪の場合を中心に― |
2004 | 木村 昌紀 | 大阪大学大学院人間科学研究科 | 社会的スキルとしての対人コミュニケーション認知メカニズムの解明 |
2004 | 竹橋 洋毅 | 名古屋大学大学院環境学研究科 | 目標フレーミング効果に潜在するメカニズムの解明 |
2004 | 横田 晋大 | 北海道大学大学院文学研究科 | 集団間競争が内集団協力を規定する心理過程に与える影響の検討 |
2004 | 田村 亮 | 北海道大学大学院文学研究科 | 恐怖伝染の実験的検討 -認知、および生理的手法を用いて- |
2004 | 藤本 学 | 大阪大学大学院人間科学研究科 | 話し手としての役割取得および会話パフォーマンスに及ぼす話者役割構成の影響に関する研究 |
2003 | 小林 哲郎 | 東京大学大学院人文社会系研究科修士課程2年 | 社会化過程における携帯コミュニケーションが異質な他者に対する非寛容性に及ぼす影響 |
2003 | 浅井 暢子 | 神戸大学大学院文化学研究科博士課程2年 | スティグマを付与された集団の成員における差別の知覚と対処過程の解明 |
2003 | 谷田 林士 | 北海道大学大学院文学研究科博士後期課程2年 | 共感の情動的側面の適応基盤についての研究 |
2003 | 磯部 智加衣 | 広島大学生物圏科学研究科博士課程後期2年 | 自己カテゴリー化の再検討 -その能動的側面に注目して- |
2003 | 鈴木 直人 | 北海道大学大学院文学研究科修士課程2年 | 社会制度と心の社会性 |
2003 | 竹村 幸祐 | 北海道大学大学院文学研究科修士課程2年 | 集団協力行動の生起プロセスにおける文化差:日米比較実験による検討 |
2002 | 金児 恵 | 東京大学院人文社会学系研究科博士後期課程3年 | コンパニオン・アニマルが日本人の社会的ネットワークに与える効果の検討―愛着のタイプの分析を通じて― |
2002 | 品田 瑞穂 | 北海道大学大学院文学研究科修士課程2年 | 秩序問題の解決としての社会的埋め込み-感情と交換ドメインの連結に関する実験研究 |
2002 | 五十嵐 祐 | 名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士前期課程2年 | 携帯メールの利用が社会的ネットワーク構造に与える影響 -携帯メールは対人関係を希薄化させるか?- |
2002 | 小城 英子 | 関西大学大学院社会学研究科博士後期課程3年 | 明石歩道橋事故における新聞報道の分析-責任帰属と世論形成の観点から見た災害報道- |
2002 | 真島 理恵 | 北海道大学大学院文学研究科修士課程1年 | 利他行動の成立 -選別的利他行動の適応的基盤- |
2001 | 針原 素子 | 東京大学院人文社会学系研究科 | 日本人の自己卑下傾向の生成過程について:なぜ日本人は自己卑下するようになったのか? |
2001 | 小川 一美 | 名古屋大学院教育発達科学研究科博士後期課程3年 | 会話者の関係性が相互作用パターンに及ぼす影響:役割と平等性の視点から |
2001 | 畑中 美穂 | 筑波大学院心理学研究科 | 発言の抑制行動に至る意思決定過程-コミュニケーション・スキルの程度による判断内容の差違の検討- |
2000 | 田鍋 佳子 | 神戸大学文化学研究科 | 共有的信念としてのステレオタイプ |
2000 | 藤田 政博 | 北海道大学文学研究科 | 日本における陪審・参審制度の可能性――復活あるいは創設の可能性の実際的検討―― |
1999 | 大野 俊和 | 北海道大学大学院博士後期課程/日本学術振興会特別研究員 | 「いじめ」の素人理論とその社会的・制度的基盤の解明 |
1999 | 佐野 真子 | 東京大学大学院人文社会系研究科 | 親密な関係におけるネガティブコミュニケーション:親しき仲にも礼儀はあるか? |
1998 | 足立 にれか | お茶の水女子大学 | 自己呈示におけるキャリー・オーバー効果の生起プロセス:コミットメント説の検討 |
1998 | 鈴木 佳苗 | お茶の水女子大学 | 認知的複雑性の発達的変化のメカニズム:コンピュータシミュレーションによる検討 |
1998 | 中田 栄 | 兵庫教育大学大学院・日本学術振興会 | 向社会的行動における自己統制の役割とその規定要因の検討 |
1997 | 久保田 健市 | 筑波大学 | 少数派および多数派集団の集団間差別と移行可能性(2) |
1997 | 坂元 桂 | お茶の水女子大学 | 刺激の表記形態の差違が閾下単純接触効果および有名性効果に及ぼす影響 |
1997 | 杉浦 淳吉 | 名古屋大学 | ゴミ分別回収の導入が住民の社会的利益・個人的負担の認知に及ぼす時間的影響 |
1996 | 安野 智子 | 東京大学 | |
1996 | 樋口 康彦 | 関西大学 | |
1995 | 大坪 庸介 | 北海道大学 | |
1995 | 森 津太子 | お茶の水女子大学 | |
1994 | 合田 美加 | 近畿大学青鞜女子短期大学 | |
1994 | 潮村 公弘 | 東北大学 | |
1993 | 伊藤 哲司 | 名古屋大学 | |
1993 | 佐藤 達哉 | 東京都立大学 | |
1992 | 柿本 敏克 | 大阪大学 | |
1992 | 榧野 潤 | 日本労働研究機構 | |
1991 | 矢守 克也 | 関西女子短期大学 | |
1991 | 吉原 智恵子 | 学習院大学 | |
1990 | 田中 堅一郎 | 日本大学 | |
1990 | 中川 薫 | 東京大学 | |
1989 | 坂元 章 | 東京大学 | |
1989 | 土肥 伊都子 | 関西学院大学 | |
1988 | 広沢 俊宗 | 関西学院大学 | |
1988 | 吉川 肇子 | 京都大学 | |
1987 | 西道 実 | 関西大学 | |
1987 | 竹村 和久 | 同志社大学 | |
1986 | 久田 満 | 慶應義塾大学 | |
1986 | 古澤 聡司 | 一橋大学 | |
1985 | 飛田 操 | 学習院大学 | |
1985 | 吉田 寿夫 | 広島大学 | |
1984 | 奥 正廣 | 東京工業大学 | |
1984 | 作道 信介 | 東北大学 | |
1983 | 石井 徹 | 京都大学 | |
1983 | 佐藤 郁哉 | 東北大学 |
若手研究者奨励賞選考委員
2020年度
委員長
岡隆
委員
小川一美、渡邊芳之、沼崎誠、林直保子
2019年度
委員長
岡隆
委員
小川一美、渡邊芳之、沼崎誠、林直保子
2018年度
委員長
唐沢かおり
委員
堀毛一也、池上知子、 新谷優、村上史朗
2017年度
委員長
唐沢かおり
委員
堀毛一也、池上知子、 新谷優、村上史朗
2016年度
委員長
山口裕幸
委員
外山みどり、浦光博、岡隆、辻本昌弘
2015年度
委員長
山口裕幸
委員
北村英哉、外山みどり、今井芳昭、山浦一保
2014年度
委員長
相川 充
委員
北村英哉、高橋伸幸、池上知子、吉田寿夫
2013年度
委員長
相川 充
委員
安藤玲子、松浦均、菅原健介、吉田寿夫
2012年度
委員長
遠藤由美
委員
安藤玲子、小林知博、高橋伸幸、山田一成
2011年度
委員長
遠藤由美
委員
石井敬子、角山 剛、斎藤和志、辻 竜平
2010年度
委員長
唐沢 穣
委員
青野篤子、伊藤忠弘、大沼 進、藤原武弘
2009年度
委員長
唐沢 穣
委員
大沼 進、坂田桐子、堀毛一也、山田一成
2008年度
委員長
大渕憲一
委員
上野徳美、岡本浩一、高橋伸幸、西道 実
2007年度
委員長
大渕憲一
委員
岡本浩一、高橋伸幸、西道 実、蓮花一己
2006年度
委員長
池田謙一
委員
池上知子、川上善郎、堀毛一也、山口裕幸
2005年度
委員長
池田謙一
委員
池上知子、川上善郎、堀毛一也、山口裕幸