第6回春の方法論セミナー

第6回春の方法論セミナー
「社会心理学者のための時系列分析入門」「社会心理学者のためのVR入門」

日時

2019年3月21日(木・祝) 13:00~17:00 (12:30開場予定)

会場

明治学院大学白金キャンパス 2号館2階
 社会心理学者のための時系列分析入門 2302教室
 社会心理学者のためのVR入門 2301教室
 ※2つのセミナーとも13:00開始です
※アクセスマップ
※キャンパスマップ
(キャンパス内の案内版は正門からの入構を想定して設置いたします
 キャンパスに詳しくない方は正門からお入り下さい)

参加費

無料(事前予約不要・会員以外の参加も可)

企画

日本社会心理学会学会活動委員会

講師

社会心理学者のための時系列分析入門
  小森 政嗣(大阪電気通信大学)
  竹林 由武(福島県立医科大学)
  藤原 健(大阪経済大学)
社会心理学者のためのVR入門
  北崎 充晃(豊橋技術科学大学)
  濱田 健夫(東京大学)
  近藤 亮太(豊橋技術科学大学)

企画メッセージ

 今回の春の方法論セミナーでは、昨年に引き続き趣の異なる2つセミナーを開催いたします。「社会心理学者のための時系列分析入門」「社会心理学者のためのVR(ヴァーチャル・リアリティ)入門」の2つのセミナーです。
 時系列分析、VRともに新たな方法やデバイスが次々に登場し、関心はあっても、自分1人ではじめるのは、なかなか難しいところがあるのではないでしょうか。そこで今回は、社会心理学者の関心やニーズに焦点をあてた2つの入門セミナーを企画いたしました。
 2つのセミナーの詳細は本ページおよびそれぞれのセミナーのサイト(下記参照)をご覧下さい。また、今回は新たな試みとして事前に質問を募集いたします。質問はそれぞれのセミナーのサイトで受けつけております。いただいた質問は講師の先生に事前にご覧いただきます。時系列分析、あるいはVRについて「この点が知りたい」ということをお知らせいただけるとたいへんありがたく存じます。もちろん当日の質問も大歓迎です。

 「社会心理学者のための時系列分析入門」セミナーのサイト
 「社会心理学者のためのVR入門」セミナーのサイト

「社会心理学者のための」と銘打っておりますが、社会心理学者が利用することを念頭に内容を検討したという意味で会員限定ではありません。会員以外の参加も無料ですので、周囲にご関心のある方がいらっしゃいましたら、ご紹介いただけると幸いです。
 年度末のお忙しい時期ですが、大勢の方のご参加をお待ちしております。

概要

社会心理学者のための時系列分析入門
13:00開始 2302教室

 昨今の技術的発展に伴って,時間とともに変化する時系列的な変数を簡単に入手できるようになってきました。このような時系列データの例として,次のようなものが挙げられます。

  • 経験サンプリング法等による自己報告の反復測定データ
  • 生理的指標や地理的移動を記録するウェアラブル端末によるログ
  • SNSをはじめとしてウェブ上に発信・公開されるタイムリーな情報
  • Kinnectなど非接触型の反応計測記録

 これらのデータから(社会)心理的変数を抽出する際には,各時点のデータが独立ではなく以前の計測点のデータと強く自己相関していることに注意が必要です。またこれらのデータは,計測時に誤差が含まれやすいため,クリーニングに技術を要することも見過ごせません。
 そこで今回のセミナーでは,時系列的なデータから意味のある情報を抜き出すための統計技術についてのノウハウを,具体的な事例とともに共有することを目指します。

セミナー概要
 一言に「時系列分析」といっても「時間経過に伴う変化が見たい」,「複数の時系列間の関係(類似度/因果)が知りたい」,「多変量時系列データを要約したい」,「周波数構造が知りたい」と目的は様々で,またそれに応じて手法も様々です.前半では,時系列データの基礎に触れたうえで,時系列解析についてどのような分析法があるのか,時系列分析マップを示すことで全体像を素描します。その後,後半では具体的研究事例を取り上げた解説をします。

スケジュール・内容(予定)

13:00-13:15
企画趣旨説明
13:15-14:00
時系列データの基礎と時系列分析マップの紹介(小森先生)
14:00-14:10
休憩
14:10-15:00
目的別時系列データ解析手法の紹介(小森先生)
 状態空間モデル
 相関と因果の解析
 時系列データの分解
 周波数領域の解析
15:00-15:10
休憩
15:10-15:50
時系列データのGranger因果(竹林先生)
15:50-16:00
休憩
16:00-16:40
対人コミュニケーション研究における周波数解析(藤原先生)
16:40-17:00
質疑・まとめ

「社会心理学者のための時系列分析入門」サイト
ご質問はこちらからお願いします。


社会心理学者のためのVR入門
13:00開始 2301教室

 この数年の間に、VR(バーチャルリアリティ)は多くの人にとって身近な存在になってきています。社会心理学会においても研究の対象として、あるいは研究の道具として興味をもっている方も多いのでないでしょうか。しかし、実際にVRを研究に使おうとする場合、どのような機材が必要なのか,それでどのようなことが実現可能なのか,どれくらいの金銭的・人的コストがかかるのかなどよくわからないこともあると思います。
 そこで、今回のセミナーでは、VRの基礎的な紹介から,VRを用いた心理学的研究でどのような研究が行われているのか、社会心理学においてVRをどのように活用できるのか考えてみることを目的としました。

セミナー概要
 VRの研究や技術を説明する3つの講演と,少し長めの休憩時間にVR装置を体験できる機会(デモ・体験コーナー)を2回用意しました。

スケジュール・内容(予定)

13:00-13:15
企画趣旨説明(+VR研究の中の社会心理学)
13:15-14:00
バーチャルリアリティ学序論(北崎先生)
 VRの定義と歴史
 各種感覚ディスプレイ(頭部搭載型ディスプレイ(HMD),多感覚ディスプレイ)
 VRと心理学の融合領域研究
 身体所有感の生成と心理・行動への影響
 身体計測技術(HMDのトラッカー,モーションキャプチャ)
 自在化身体プロジェクト
14:00-14:20
休憩・デモ体験コーナー(下記参照)
14:20-15:20
バーチャルリアリティの現実適用(濱田先生)
 MR・ARの定義と歴史
 VR/ARによる社会的促進(運動・集団エクササイズ,Köhler effect)
 ゲーミフィケーション
 ARの技術的説明(Moverio,ホロレンズなど)
 実写VR:360度画像・映像の利用
 VRの日常応用(語学学習,トイレの拡張)
15:20-15:40
休憩・デモ体験コーナー(下記参照)
15:40-16:40
バーチャルリアリティを用いた実験開発(近藤先生)
 Unityの概論とプログラミング
 Unity とHMDの連動(見回し,視点移動)
 人の身体の表現と操作(アバターの使用,モーション再生)
 研究紹介(透明人間,四肢延長人間)
16:40-17:00
質疑・まとめ

[デモ・体験コーナー]
 以下の展示を予定しています。各種装置のコストや実際のプログラミング開発の難易度などを実際に開発者に質問できます。
モーションキャプチャ(身体運動をリアルタイムで計測し,VRに反映します)
HMDの設定と使用(実際に視点をHMDに結びつけて見回しをします)
AR体験(現実空間に人工的な情報を提示します)

参考文献:
ジェレミー・ベイレンソン(2018). VRは脳をどう変えるか? 仮想現実の心理学, 文藝春秋. ISBN-13: 978-4163908847
北崎充晃. (2016). サイバー空間と実空間をつなぐ We-mode の可能性. 心理学評論, 59(3), 312-323.(PDF)
北崎充晃. (2015). バーチャルリアリティ研究の技術的側面’14. 基礎心理学研究, 33(2), 184-193.(PDF


「社会心理学者のためのVR入門」サイト
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